事例2 「指導の一環」という「パワハラ」

公開日: : 最終更新日:2015/02/16 円満解決事例

ある企業様から、お電話をいただきました。

「社員から、パワハラの訴えがあって、加害者と言われた管理職に事情聴収したら、『そういう行為はしましたけど、何が悪いんですか?会社のために指導の一環としてやっていますけど?自分もそうされてきたし。断固戦いますよ!』って開き直られた。断固戦うって、裁判する気かなあ?どうしたらいい?」と。

こういうご相談、多いんです。

訴えてきた人と加害者と言われた人の、言うことが【正反対】な時、困ります。

そして、多くの会社が何をしているか?

多くの場合、調査委員会を立ち上げて、その調査が3か月経ち、6か月経ち・・・・。被害を訴えた人は、何か月も放っておかれて。事情聴収された人は口止めされているはずなのに、社内はその噂でもちきり。被害者も加害者もいたたまれなくなって退職。

あれれ、問題の二人がいなくなって、会社の中が落ち着いた???

やれやれと思っている社長のところに、労働局から電話が!

「お宅の会社でパワハラされたという人の訴えが、ハローワーク経由で来ていますけど!!」というオチが。

社長、もっと早く私に電話してくださいよ。

ビビる必要、まったくなし!!です。

「行為は認めるけど、パワハラとは認めない」という詭弁(きべん)に対して、どう対抗するか?

まずは加害者だと訴えられた人の心理から考えましょう。

訴えられた人は、まず

1.【パワハラの加害者】【「パワハラで訴えられちゃった人」【パワハラでクビになった人】というレッテルが貼られてしまう~~~!と、パニックになる。

2.「今後の人生どうなっちゃうんだろう。私の人生、私の家族の人生・・・・。」

そんなことで頭がいっぱいになり、当然、自分の保身のために【自分を正当化】したくなります。

私が、昔、企業の管理職だったころ、部下にいつも言っていました。

「あなたのためを思って言ってるのよ!!(怒)」

いやあ~。ひどい上司だったです。あなたのためじゃなくて、自分のためなんですけどね。本当は。でも、仕事に一生懸命な時は、それに気が付かない。心から、部下のためを思っていると思い込んでいます。そんな時に、「パワハラです」なんて言われたら、思わず反撃したくなるの、わかりますよ。

大抵、加害者と言われた人に事情聴取しているときに、皆さんこう言います。

「あれは、指導の一環だ」

「彼には特別目をかけているから、心を鬼にして・・・・。」

「会社のノルマがキツすぎるのが問題だ」

「そのくらいの厳しさに耐えられなかったら、この先、生きていけませんよ!」

「会社の業績をここまで上げたのは、私ですよ。」

「私も家庭でいろいろストレスが・・・。」

このように言い訳されちゃうと、大抵の社長は困ってしまいます。

ここで、私だったら社長にこう言います。

「この際、ハラスメントかどうかなんて、どうでもいいのです。ハラスメントだろうがなんだろうが、その社員が、『〇〇課長の指導の仕方が辛くて、仕事のやる気が失せます』と訴えているわけで、そこ改善しましょうよ。」と。

私のお会いした相談者の方の【要望】は、

「反省して、謝罪してほしい。」

「上司の指導の仕方を改善してほしい」

「上司を辞めさせたいわけじゃない。復讐したいわけじゃない。」

と言う方がほとんどです。

加害者をクビにしてほしいと言う人に、私は今まで会ったことがありません。だから、訴えが来たら、話を聞いたうえで、社長は被害者にこう言いましょう。

1)勇気を出して、よく言ってくれたね。ありがとう。

2)辛い気持ちにさせてしまって、本当に申し訳ない。

3)会社として全力で改善する。

そして、次に、訴えられた管理職を呼んでこう言うのです。

A)いつも、仕事を頑張ってくれていてありがとう。

B)ただ、ちょっと厳しすぎるという相談が来たんだ。

C)君はそんなつもりじゃないことはわかっているが、会社としてはリスクマネジメントの観点から、放置するわけにはいかないし、長期的な業績向上を考えると、マネジメントのあり方を見直す時期に来ていると思う。一緒に、考えようじゃないか。

この時点で、多くの管理職の方が「ええっ!申し訳ありません!そんなつもりじゃなかったんですが・・・。」と言ってくれます。

そしたら、社長はこう言ってください。

「わかっているよ。ただ、マネジメントスタイルも変えていく必要があるんじゃないかな。君を頼りにしているから言っているんだ。この難しい経済の波を乗り切るためには、昔ながらのマネジメントは通用しなくなってきているんだ。一緒に考えよう。」と。

多分、〇〇課長は「彼にも謝った方がいいですよね。」と言ってくれますよ。

☆ポイント☆

(ア)ハラスメントかどうかを判定することが目的ではないのです。

(イ)リスクマネジメントの観点から、管理職の考え方を転換させることです。

(ウ)そうすれば、被害者も「訴えて良かった。」「会社のためになった。」と思えるでしょうし、加害者も「寛大な社長のために頑張ろう。」と思ってくれるでしょう。

(エ)管理職も、一般社員も、どちらも辞めさせず、和解に持ち込むこと。これが会社の発展につながります。

関連記事

円満解決事例

事例4 パワハラ事件が収まったら公開するべし!

ある企業様でハラスメントの事件が起こり、加害者と言われた人が、訴えてきた部下に謝罪し、裁判沙汰になら

記事を読む

円満解決事例

事例5 「よろず相談窓口」の開設でパワハラ裁判ゼロ

予測できることには事前に策を講じておくのが、リスクマネジメントです。 そこで、多くの会社が行う

記事を読む

円満解決事例

事例8 ハラスメントだと言われたら、まず謝罪を!

実は、私自身も、危うく訴えられかけたことがあります。高校や大学を卒業して、一旦就職したけれど、3年以

記事を読む

円満解決事例

事例7 「ハラスメント防止研修」に待った!

働く人の不安感と、ジェネレーションギャップが重なって、会社の中の人間関係を「明るく・風通し良く」する

記事を読む

円満解決事例

事例1 セクハラは「初動」で、80%解決!

セクハラは個人の問題ではなく、会社の問題なのに、当事者間の問題だとする上層部がいらっしゃったら、まず

記事を読む

円満解決事例

事例3 合意の上のセクハラなんてない!

最近こんなケースが増えています。 社員からセクハラの訴えがあった。 →調査委員会を立ち上

記事を読む

円満解決事例

事例6 「ハラスメント相談室」が失敗する理由

寝耳に水にならないためには、とにかく、社内のよろず相談室に「気軽に」相談に来てもらうことだと、前項で

記事を読む

  • ハモクリ通信
  • 動画

  • TEL 0561-61-4060
    携帯 090-7026-2373(直通)
no image
2016.9.27 第11号  「挨拶は、名前も付けてね」

働き甲斐のある職場作りのヒント   「挨拶は

no image
2016.9.7 第10号  「企業も、治療より予防の方が元気になれますね」

働き甲斐のある職場作りのヒント   「企業も、治

no image
2016.8.24 第9号  「真因を探る」

働き甲斐のある職場作りのヒント   「真因を探る

no image
2016.8.14 第8号  「暑い日の、労のねぎらい方」

働き甲斐のある職場作りのヒント   「暑い日の、

no image
2016.8.10 第7号  「恐怖で人をコントロールしてませんか?」

働き甲斐のある職場作りのヒント   「恐怖で人を

→もっと見る

PAGE TOP ↑